—目元の若返りの一番人気は上まぶたのたるみ取りということでしたが、上まぶたの次は下まぶたということになりますね。
そうですね。上まぶたの方が腫れが少なく第三者に知られにくいので、まず上まぶたからする人が多いんです。上まぶたが若返ったら次は当然下まぶたですね。
—下まぶたの若返りというとやはりたるみを縫い挙げるということでしょうか?
そうですね。皮膚が伸びてたるんでいる場合は縫い挙げる方法が一番効果的です。
—どこから伸びたたるみを取り去るのですか?
上まぶたの場合は基本的に二重のラインを利用して取り去りました。縫った跡がすぐわからないようになります。
—はい。
下まぶたの場合は二重のラインが無いので、目の下の微妙なしわの線を利用します。下まぶたのところにも少しまつ毛が生えていますが、そのあたりになります。
—できるだけ跡がわからないように工夫しているのですね。
はいそうです。傷跡は時間とともに薄くなってわからなくなります。
—上まぶたのたるみ取りでは三種類の手術方法がありましたが下まぶたの場合はどうでしょうか?
下まぶたのたるみ取り手術も ①ハイテクプチ切開法 ②ハイテク切開法 ③ハイテク固定法と三種類あります。
—①は小さくしか切らない、②は普通に切る、と大体想像がつくのですが③のハイテク固定というのは?
③ハイテク固定法はたるみが強い場合やゴルゴラインとよばれるたるみのライン目立たなくしたい人向けのテクニックです。
—ゴルゴライン?
漫画のゴルゴ13みたいな目の内側から斜め下方向にできるしわのラインです。本当はラテン語の医学名が有るのですけど、日本ではゴルゴラインというとわかってもらえるようです。
—ゴルゴ13の顔のあの斜めの・・・確かにわかりやすい(笑)
③ハイテク固定は引っ張り挙げる力を強くするため見えないところで技が使われているんですよ。
—見えないところで?
下まぶたのたるみ取り手術では切り取る皮膚量を欲張るとアカンベーになってしまう恐れがあります。アカンベーにならないようにたるみをたくさん取り去る特殊テクニックがハイテク固定法です。目尻の外側方向にたるんだ皮膚を引っ張りながら固定するんです。
—なるほど③は引っ張る力が一番強い。①②③の順にたるみを取り去る量が増えるわけですね。傷跡などは心配ないですか?
最初はメイクでカバーするようにしてもらいます。洗顔や入浴なども普通にできますから生活に不自由を感じることは無いと思いますからメイクが上手な人は外出しても平気なようです。は時間がたてばたつほど気にならなくなりますよ。
たるみに関しては①②③の方法で対処できるのですが、目の下の若返りに関してはもう一つ重要なことがあります。
—もう一つ重要なことというと?
目の下はたるみ以外に「目袋」という老化をともなう人が多いんです。
—目袋ですか。言葉は聞いたことありますけど・・・今ひとつ意味が分からないのですが。
目の下のところがブクっと袋のように膨らんだ状態を目袋といいます。この目袋というのは元々下まぶたの奥にあった脂肪のクッションがゆるんではみ出している状態です。
—???脂肪のクッションがゆるんで?それがはみ出すんですか?
はい。下まぶたの奥には脂肪のクッションがあるんです。この脂肪のクッションは皮下脂肪とは違って、太ったとか痩せたというのとは関係がありません。
—へえー、脂肪のクッションねー。そんなのがあるんですね。それがはみ出すってどういうことでしょう?
クッションの構造を思い出して下さい。布の袋の中に綿が詰められていますよね?
—はい。確かにクッションってそういうものですね。
老化というのは言葉を変えると「ゆるみ」なんです。年取るとあちこちがゆるんでくるんですね。するとこのクッションの袋自体もゆるんでくる。
—綿を詰めてある袋が・・・ゆるんでくる。
そう。袋がゆるむと今までキュッと締まっていたクッションが膨らんじゃうでしょ。
—はい、袋がゆるむと綿がはみ出て膨らんだふうになりますね。
下まぶたの奥のクッションにそれが起こると目の下の皮膚を外側に押し出すことになります。
—なるほど。それで目の下が押し出されて膨らんだようになる。目袋というのはゆるんだクッションのせいなんですね。目袋の意味がよーくわかりました。
目の下の若返りには皮膚のたるみと目袋という二つの問題に対処する必要があります。たるみに関しては縫い挙げる。目袋に関してははみ出した脂肪を取り去る処置です。ですから①②③それぞれに目袋取りを併用する場合が多いですね。
—目袋取りというのはゆるんではみ出している脂肪の処置ですね。それを同時に?
そうです。入口が同じなので目袋取りとたるみ取りが同時にできるのです。併用しない手はありません。目袋だけの処置だけが必要な場合は下まぶたの内側からすることもできます。
—内側からですか。見えないところからということですね?
はい。内側からなら全く見えません。目袋の処置だけで良ければこれでOKです。ただ目袋の処置のみというパターンは少数派ですね。
—少数派?
目袋の問題がからむ人のほとんどがたるみの問題もからんでいますから。
—老化ですから、ほとんどの人がそうですよね?
ですね。たるみの多い人が目袋の処置のみをしたのでは目の下が微妙にしぼんだようになりますから。
—腫れなどといったアフターとかは大丈夫でしょうか?
上まぶたのたるみ取りは思ったほど目立たないという話をしました。いっぽう下まぶたは皮膚が薄いので腫れや内出血が出やすい場所です。軽く済ませたい人の場合は①のハイテクプチ切開法にしてもらえば腫れも少なめです。②のハイテク切開法では目の下に数日間テープを貼って貰う場合もあります。③ハイテク固定法の場合腫れも10日位の余裕をみてもらう場合もあります。美容の手術というのは一人ひとり特注なんです。だからその人その人一人ひとりのニーズに合わせるようにします。実際に切る長さも一人ひとり話し合って細かく調整します。
—なるほど、一人ひとり特注なんですね。特注になるほどドクター平田のワンドクター主義がモノを言いますね!
はい、とても神経を使うところですがとても重要なことです。チェーン店式のクリニックではできないでしょうね。