—「目は口ほどにものを言い」とよく言いますが、目元の若返りについてドクターにお話を聞きたいと思います。
単純に一番人気は何かと聞かれれば、目尻・目の下などへのしわ取り注射ということになります。いわゆるプチ整形ですね。
—なるほど。
しかし目の上、つまり上まぶたの話になると「たるみを取り去る」若返りが一番人気です。
—伸びた皮を取り去るのですね。手術で取り去るということですね。
そう、注射では出来ない余った皮を取り去る手術です。やはり伸びてしまった皮は取り去るのが一番効果的です。ちょっと興味深いのですが、目の上まぶたのたるみは本人より他人目線のほうが目に付くのですよ。
—他人目線?どういう意味でしょうか?
自分が鏡を見る時ってけっこう目をパッチリ見開いたりして見るようにしているんです。瞬間的に表情を繕いながら見るんですね。それも正面からしかみない。だから他人目線よりしわやたるみに自分で気付きにくい。
—ふむふむ。正面からですね。
若い頃は真横から見ても二重のライン幅が見えていた人も、上まぶたがたるんでかぶってくると横から見た時二重のラインがかぶっちゃう。このことは自分で正面や斜めから鏡で見ても分かりにくいんです。
—なるほど。自分のことを他人目線で見ることは難しいですよね。他人の顔は横や斜め後ろから見ることが多いかもしれません。
そうでしょ。もう一つ大切なことは、皆さん生きていて周りとコミュニケーションしているでしょ?
—おしゃべりとかのコミュニケーション、当然していますね。
そういう時っていろいろ表情を変えますよね。
—笑ってみたり、しかめてみたり。
はい。そういう時、目元の年齢が素直に出るんです。パッと見では若そうに見えた人の年齢がバレたりします。微笑んだ時に目尻がクニュっと下がったり、自分では見られない目尻のシワが深く表れたりします。
—カラスの足跡みたいな?
そうですね。
—特に女性はこのカラスの足跡はいやですよ。
少しなら許せるけど深いのはイヤですよね。こういったシワ・たるみは上まぶたのたるみの影響が大きい。実は額の横じわや眉間の縦じわも上まぶたのたるみと大いに関係があります。
—額や眉間のシワにも上まぶたが関係するんですか?
まぶたがたるむと額の筋肉が上方向と内方向に縮んでいきます。上まぶたのたるみを相殺しようと無意識のうちにそうなるんです。
—なるほど。
だから上まぶたのたるみを取ってやるとそれに関連して顔全体の雰囲気がずっと若返る。ソフトイメージになる。それだけでなくシワの予防にもなるんです。
—具体的には上まぶたのたるみ取り手術はどのようにするのですか?
種類で言うと①ハイテク無切開 ②ハイテクプチ切開 ③ハイテク切開という三つになります。
—順番に解説していただけますか?
① のハイテク無切開はメスを使わず糸で止める方法です。メスは一切使わず二重のラインを利用して「たるみを畳み込むテクニック」になります。どうしても切りたくないとか、切る手術を受けたくても時間的な余裕がない方などの選択肢になります。若い人が二重まぶたにするのにロング・ライフテクニックというメスを使わない方法がありますがそれの応用です。ハイテク無切開はたるみが多い方用にラインを止める位置や強さがいろいろと工夫されています。
—①はメスを使わないと。
② のハイテクプチ切開は、今あるラインにたるみが覆いかぶさっているけれど「ライン自体はしっかりしている」方に向きます。ですから被ったたるみ部分を取り去って時計を逆戻りさせたようなイメージです。もちろんたるみを取り去るだけでは無くゆるんだ脂肪組織などの処理もします。ゆるんだ脂肪組織をそのままにしておくとボテッとしたゆるんだまぶたのままになってしまいますからね。
—②は実際にたるみを取り去るのですから切るわけですね。
そうです。①は切らずにたるみを畳み込むだけ。②③は実際にたるみを取り去ります。ですから若返り度は抜群ですよ。やはり基本は伸びて余った皮膚は取り去るのが一番効果的です。
—切らないと出来ないことがある、それには大きなメリットが有るのですね。③は?
③ のハイテク切開は上まぶたのたるみを取り去りながら「ラインのお仕立て直し」ができるテクニックです。①②③の三種の中では③を受けられる方が一番多いですね。
—ラインの仕立直しと言いますと?
先ほどの②は「ライン自体はしっかりしている」方に向く方法と言いました。実はまぶたが老化してくると二重のライン自体も老化してきます。二重になる力が緩んだり、ぼやけたり、浅くなったりしてライン自体が老化してくる。ですから年齢が増すほどライン自体がゆるんできます。そういった方のラインの補正をしながらたるみを取り去るのです。③はラインをもっと広くするなど自由度が高い方法です。
—狙いはよくわかりました。
眉毛のすぐ下でたるみを切り取る手術方法もあると聞いたことが有りますが?
ありますよ、大昔からね。中国では結構やりますね。中国人は眉毛ごと取り去ったりする場合もあります。民族性の違いですかね。しかし日本人には二重のラインで切開するほうが絶対向きますね。
—どうしてですか?
先ほど老化は皮膚がたるむことだけでは無いと言いました。
—上まぶたの内側老化もあるという話でしたね。
そうです、だから②の場合でもラインはしたてなくても緩んだ脂肪などの処理が必要なんです
—なるほど、眉毛の下を切って引き上げる方法ではそれはできないですものね。
そういうことです。だから基本的に眉毛下切開は出番がないですね。
—目玉に近いところですが大丈夫ですか?
ははは、目玉には全く関係ない、あくまで皮膚の話(笑)。当然視力とかにも無関係ですよ。
—わかりました。ところで切ってたるみを取り去るということがとても大変そうに思うのですが・・・。
そう思うでしょ?実際は皆さんが思っているより全然大したこと無い、楽です。部分麻酔で片側二十分程度のことです。麻酔と注射針を工夫していますから麻酔の痛みも3秒位です。本当に大したこと無いんです。
—そうなんですね。手術後はどうですか?
少し冷やして休んで、帰りにはメイクしていただけるよう縫い方も工夫しています。帰りに寄り道などしても第三者には分からないですね。洗顔、入浴まったくかまいません。術後の痛みもありません。②③は抜糸が有りますが糸もほとんど他人には目立ちません。抜糸も痛くないですよ。
—大変かと思ったらそうでもない?
抜糸の時に皆さんの感想を聞くと手術前に抱いていたのとのギャップに驚いたとおっしゃいますね。長く切ることに躊躇していてやっとの思いで受ける方も多いのですが、もっと早く受ければ良かったと思われるようです。
—そうなんですね。実際どれくらいの年齢の方がこういった上まぶたのたるみ取りを受けられますか。
上まぶたのたるみ取りは三十代の方から受けられています。もちろん上限は無し、九十代のご婦人も普通に受けられています。年齢層が上がるほど①→②→③の選択が増えますね。
—たるみが多くなるからそうなりますよね。
実はこの目の上のたるみ取りには人気のアフターメニューがあるんですよ。
—アフターメニューですか?何だかデザートみたいですね?(笑)
そう「目尻プチ」と言ってとっても美味しいメニューです(笑)。上まぶたのたるみを取ると目元が若返ります。これだけで終了しても十分ハッピーになってもらえるのですが、この数カ月後にさらに贅沢に目元を若返らせるのがこの目尻プチです。
—えっ!さらに若返る?どういうことでしょうか?
たるみを取ったところと取っていないところには必ず境ができますよね?
—はい。どこかに境がありますね。
その部分は微妙なひずみができます。もちろんこのひずみが小さくなるように切除の仕方や縫い方を工夫していますから第三者には分からない話ですがね。縫った部分の皮膚というのは最初は少し硬いんです。時間が経つと段々馴染んで柔らかくなります。柔らかくなった頃にひずみを取り去りながら更に外側のたるみを取ってやるんです。
—たるみ取りの範囲をもう少し欲張ると?
その通り。「だったら最初から欲張ったらいいじゃない!?」と思うかもしれないけれど、傷の長さを考慮すると最初からは出来ないのです。
—一度でできないことも二度に分ければできるみたいな?
その通りです。より自然さを求めるために二つのステージに分ける。皮膚が馴染んできたからできることなのですよ。しかもこのこのアフターメニューの所要時間は両目で10分程度。縫っていることも解らないぐらいのテクニックで効果抜群、とても喜ばれます。
—10分で跡も目立たないのですか、それはいいですね!
〓〓〓〓〓切るのが怖い人でも受けられる切る手術!?〓〓〓〓〓
皆さんの中には「切る手術は絶対に絶対にイヤ!」と言う人がいるはずです。
—でしょうね。
じつは目尻プチはそういう絶対切りたくない人にウケが良い切る手術なんです(笑)。
—切りたくない人にウケる切る手術ですか?
はい、チョットしか切らないのがミソなんです。目尻プチは本来②や③といった上まぶたたるみ取りをしてからアフターメニューとしてするのですが、切りたくない人でも受けられる特徴を活かして先ず目尻プチから受ける人も多いんです。
—なるほど、それぐらい怖くない手術ということなんですね。
順序を逆にして先ずは怖くないことを実感してもらう。一種のお試し感覚でしょうか。目尻プチだけでも笑った時などの目尻の垂れ具合が全く変わりますからね。とても若返り効果があるんですよ。この目尻プチで切る手術も平気だと身を持って悟っていただけますから今まで「切るのだけは絶対怖い、したくない!」と言っていた人が考えを変えて、②や③に移られますね。
—なるほど、目尻プチは切るのが怖い人への安心メッセージになっているんですね。